
子供が英語を習うのは、早い方がいいの?
それとも、日本語をきちんと身につけてからやるべき?
子供の英語教育については早い方がいい、という意見と、きちんと母国語を身につけてからがいいという正反対の意見があります。
ある年齢に達したら言語は(ネイティブレベルで)習得できなくなるという臨界期仮説や、2つ以上の言語を同時に学ぶとどっちも中途半端になっちゃうというダブルセミリンガリズム(Double semi-lingualism)などいろいろな説がありますが、結局どちらが正しいのか、現時点で脳科学が出している答えを解説します。

私は英語圏で生活して10年以上経つけど未だにLとRの発音の違いも聞き取れないし、言い分けらない。。。発音は小さい頃からやっていた方がよさそう。
幼児に英語を教える意味はある?最近の研究で分かったこと
1990年代までは、早期幼児教育、特に幼児に外国語を教えることに反対する意見が多く見られました。
小さなころから英語などの外国語を教えることで、子供が混乱してしまう、とか、2ヶ国語とも中途半端になってしまうんじゃないかといったことが不安視されていました。
でも、67万人を対象にした最近の研究では第二言語はなるべく早く学んだ方がよい、ということが分かってきました。かなり大規模な研究なので、信頼性も高いです。
反対に、10歳までに習わなかった言語は、大きくなってから学んでも、完全なバイリンガルにはなれない、ということが分かっています。
さらに17歳以降になると、言語習得能力はがくんと下がるんだそう。
幼児に英語を教えるのはいつからがいいの?
なので、最近の科学的な研究から言える結論は、
「子供に英語を学ばせるなら早い方がいい」 です。
つまり、日本語を学ぶのと同時に英語も一緒に学ぶのが一番。
それは、子供の脳の発達の仕方に関係があります。
赤ちゃんの脳は産まれてから8ヶ月までにシナプスの回路が大量に形成されて、そこからはどんどん減っていきます。
10歳になるころにはその回路が半分くらいにまでに減ってしまうそう。
つまり、使わない、要らないと脳が判断した回路は消えていっちゃうということ。
だから10歳までに英語(英会話)を始めた方がいいんですね。
子供たちが幼児のころから英語を学ぶメリットは?

早く始めた方が、発音や聞き取りに有利になるのは分かったけど、他にもメリットはないの?
子供たちが英語を学ぶメリットって単に英語が話せるようになるだけじゃないのです。
ワーキングメモリーが向上する。
5歳から7歳の子供たちを対象にした二つの研究で、バイリンガル環境で育った子供は、母国語のみで育った子供よりもワーキングメモリーが発達していることが分かっています。
ワーキングメモリーは、短期的に記憶を保持する場所で、計画して行動したり、情報を処理したり、暗算したり、等などいろんなことに使う場所で、とにかく重要なんです!
ワーキングメモリーと学校での成績も相関関係が高いうえ、ADHDなどの発達障害の子供たちはワーキングメモリの機能が低下していることも分かっているので、ワーキングメモリの発達は本当に大事。
コミュニケーションスキルが向上して、他人の様々な視点を理解できるようになる。
シカゴ大学の研究では、2ヶ国語以上に触れる環境で育った子供は社会的なコミュニケーション能力が向上する、ということが分かっています。
この研究のすごいところは、子供が実際にバイリンガルでなくてもいい、という点。
子供がその言語を話すかどうかではなく、日常的に外国語に触れる環境であるかどうか、が大事だそう。
違う言語に触れることで、違う視点が身につくと言うのは感覚的にも納得できるところ。
英語を学ぶのは最終的な目的はツールとして使えることではないかと思う反面、コミュニケーションスキルって社会にでてものすごく重要なスキルなので、たとえ英語が話せなくてもコミュニケーションスキルが伸びるのは嬉しい利点ですよね。
幼児に英語を教えたいけど、何からはじめればいい?
赤ちゃんの頃はまず、一緒に歌を歌ったり、絵本で単語を覚えたりするのがおすすめ。
2~3歳になったらテレビやDVDで英語の番組を見たり、教材で学ぶのがおすすめです。
赤ちゃんや幼児から生活の中に自然に英語があると、抵抗なく楽しく無理せず続けられると思います。
今からじゃ遅い?
英語学習はできるだけ早く始めた方がいいということだけど、「じゃあ10歳過ぎたら遅すぎるの?」かといえば、もちろんそんなことはありません!
10歳になったら急に身につかなくなるわけではなく、だんだんとネイティブのように話せる脳の能力が失われていくということ。特に音声言語は早いほうがいいですが、17歳までは言語を習得する能力は続くので、10歳で諦めるのは早すぎます。
また、ある程度大きくなってから興味を持ち始めて英語を習得した人は私の周りにもたくさんいます。
結局はどれだけ興味を持って、学習できるかということと、本人の意志が一番大きいんじゃないかと思います。
結局は、興味を持って続けることが英語習得への一番の近道かと。
ただ、日本の学校で教える英語教育には限界があります。
音声言語には臨界期があるのは明らかなので、子供に英語を習わせるのであれば、まだ脳が柔らかいうちに、「音」に重点を置くべき。
それは、大人になってからではどうしても追いつけない部分だからです。
英会話なら、英語で興味のある分野を教えてもらえるオンライン・インターナショナルスクールのGlobal Step Academyや、ネイティブからレッスンが受けられる【Cambly Kids(キャンブリーキッズ)】がおすすめです。
おまけ:大人も外国語を勉強することで脳が発達する
子供はできるだけ早くから英語をやった方がいいっていう話をしてきましたが、大人でも遅すぎることはないんです。
さらに、大人が外国語を学ぶことで、言語をマスターする以外のメリットが!
2012年に発表された論文では、大人でも外国語を勉強すると、海馬や前頭葉の一部が発達することが分かったそう。
海馬を鍛えるとメンタルも強くなるので、英語を勉強することで、育児のストレスにも強くなるというおまけがついてくるかも。
ママもパパも一緒に英語を楽しく学べたら、子供たちもがんばれそうですね。
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