
うちの子、なんだか他の子とは少し違う気がする…
発達障害を疑った方がいいのかな?
この記事では、
「うちの子、ADHDなのでは?診断してもらった方がいい?ADHDは治るの?」と心配なお母さん、お父さんに向けて、自分の体験談から家庭でもできることをまとめてみました。
結論から言うと、「心配であれば、きちんと専門医に診てもらった方がいい!でも、家庭でやれることを色々やったらADHDはかなり改善できるかも!」です。
我が家の長男は5歳でADHDと診断されましたが、本やインターネットで情報収集し、家庭で色々試した結果、小学2年生(8歳)になった今では問題なく学校生活を送り、成績もかなりいいほうになりました。
もちろん、ADHDへの対処法は子供の個性や重度にもよるので、少しでも心配があれば、きちんと専門医のアドバイスを受けたほうが良いと思います。でも、ここで紹介する方法をやって弊害が出るようなものでは決してない(むしろ、普通の子でも学力が上がるといわれている方法です)ので、専門医に相談しつつ、参考にしていただけると嬉しいです。
ADHDの症状とは
ADHDとは注意欠陥多動性障害のこと。
アメリカ国立衛生研究所(NIH)によると、3歳以上のADHDの子供には大きく3つの症状が見られます。
不注意
- 注意力が持続しない
- すぐに飽きて、1つのことを終わらせることが出来ない
多動性
- 落ち着きがなく、じっとしていられない
- しゃべりすぎる
衝動性
- 順番待ちが出来ない
- 感情を抑えることが出来ず、癇癪がひどい
これは症状の一例なのですが、正直、ちょっとやんちゃな男の子なら当てはまってしまうようなモノが多いです。
ADHDの診断方法
ADHDの診断は基本的に保護者と、幼稚園や保育園で普段子供と接している先生への問診で判断されます。血液検査や脳のMRIなどで客観的に判断できるものではないんですね。質問も多岐にわたり、段階評価をするのですが、その段階評価も質問表に答える人によってかなり差が出てくると思います。(その差を埋めるために、保護者と幼稚園や保育園、学校で接している第三者2名に質問に答えてもらっているのだと思います。)
判断が難しく、体に具体的な炎症などがあるわけでもないので「ADHDという障害は存在しない、子供の個性である」と主張する医者も結構いたりします。(参照:Psychology Today)
でも、我が家の場合、正直子供が活発を通り越して手に負えないような状況だったので、ADHDが障害なのか個性なのかはどうかはどうでもよくて、とにかく解決方法が欲しかったのです。
息子のケース:5歳でADHDと診断
息子の場合、赤ちゃんの頃から感情の起伏が激しく、癇癪がひどかったです。また話が出来るようになるとしゃべり続けたり、とにかく周りの子と比べても少し違うような気がしていました。
幼稚園の時に、とても信頼の出来る先生がいたので「アスペルガーやADHDの発達障害があるんじゃないかと心配してる」と話したところ、先生から「確かに他の子とはだいぶ違うところも多いです。もしかしたら軽度のADHDかもしれませんね。まずはお医者さんに診てもらった方がいいと思います。」とアドバイスを受けました。
それから専門医のところに行ったのですが、診断を受けている最中から、クリニックの先生のお部屋の棚などに登って飛び跳ねたりしてました。すでに「ADHDの診断を受けに行く」ということをある程度理解していたので、普段よりもADHDらしい(!?)行動をしてました。
ADHD専門のカウンセラーへ
専門のお医者さんに紹介してもらい、カウンセラーへ通いました。週1回、1時間通い、親である私もアドバイスをもらったり、息子だけが部屋に残って、カウンセラーさんとパズルなどの問題を解いたりしていました。
ただ、息子の場合は不注意よりも衝動性が強いので、パズルなどは普通に解くこともでき、カウンセラーさんも、もう通わなくても大丈夫と言ってくれたので、途中で通うのをやめました。
それでも特に大きな効果が出たという感じではありませんでした。
専門医には、「カウンセラーに通って効果がなかったら薬を出します。」と言われていましたが、薬を飲ませることには大きな抵抗がありました。
この本に出会えて良かった!診断後に読んだADHD関連の本
専門のお医者さんに診てもらうのと同時に、ADHDに関する本を読んだり、ネットで情報を集めました。
その際に一番参考にしたのが、澤口俊之先生の「発達障害の改善と予防」という本です。
この本では、子供に絵を描かせて、ADHDや自閉症の子が描く絵と、健常児が描く絵を説明しています。息子はこの本で説明されている、「発達障害の子供が描く絵」そのものを描いていました。
そして、この本では年齢ごとにやるべきことが詳しく書かれています。(といっても年齢が大きくなると改善が難しくなるので、7歳~8歳くらいまでが主です。)
澤口先生はホンマでっか!?TV等のも出演されていて、キャラも濃いので、この本の口コミには賛否両論が入り混じっています。
低い評価をつけている人はだいたい「発達障害は先天性の障害で、親の育て方のせいではない。だから予防も改善もできない。」という主張が多いです。
確かに我が家の長男も赤ちゃんの頃から夜泣きもひどく、癇癪もひどかったのですが、それが育て方のせいだとは思っていません。
外で癇癪を起こすと、周りから冷たい目で見られているような気がして、「先天性の障害なのだから仕方ないのに…」と思う気持ちもとても分かります。でも、先天性であること(それが障害でも個性でも)と「改善できない」ことはイコールではないと思います。
澤口先生のテレビなどでの発言も「サンプル数が多く、信頼できる研究」を元に主張していること、澤口先生ご自身の論文がPubMedなどに掲載されていて信頼できると思ったので、私は本の内容を信じてやってみることにしました。
ADHDの薬は飲ませたくない…我が家でやったこと
カウンセラーではあまり効果が期待できなかったのですが、薬には頼りたくなかったので、この本に書かれていることをやってみました。
おすすめの習い事として、ピアノやサッカーがあげられていましたが、本人が全く興味を示さなかったのでそこは諦めました。他にもいろいろと出来ることが書かれていましたが、すべてやれたわけではありません。でも、できるだけ遊びの中で取り入れたりしていました。
その中でも、一番意識してやったのが、「ワーキングメモリーを鍛えること」。
例え子供がADHDなどの発達障害ではないとしても、ワーキングメモリーを鍛えると頭が良くなります。
学校の成績はIQよりもワーキングメモリーと相関関係が強いと言われているので、ワーキングメモリーを鍛えて損はないはずです。
我が家で使ったのは澤口先生の本の中でも紹介されている数字カードです。
澤口先生の数字カードのやり方

数字カードと記号カード
詳しいやり方は本に書かれていますが、最初は4~5つの数字を順番に見せて覚えるゲームをやります。たとえば、「3」「5」「9」「1」などを順番に見せて、伏せたあと、子供に数字を言わせます。
完全にできるようになったらカードの枚数を増やしていきます。6桁とか7桁ができるようになるまで続けます。
記号カードもついていて、こちらは四角や丸や星などの記号が書かれたカードを裏にして場所を覚えて当てるといった感じ。トランプの神経衰弱に近いかもしれません。これもワーキングメモリーを鍛えます。
澤口先生のサイトでも購入でますが、はがきの半分くらいの大きさのカードに数字や記号を書いて自作してもできると思います。
ワーキングメモリを鍛える聞き取りワークシート
他にやったのが、聞き取りワークシート。
こちらは文章を読んで聞かせて、あとから内容を質問するといった感じでワーキングメモリーとコミュニケーション能力を鍛えます。
シリーズになっていて、2、3と続きます。
数字カードもこちらのワークシートも、ADHDだけじゃなくて、自閉症やアスペルガー、LDなどの発達障害の子供たちも対象になっています。
子供たちのワーキングメモリーを鍛えるので、特にこうした疑いのない子供たちにとってもかなり有益ではないかと思います。
ADHDの診断から3年後の今の息子の様子
5歳の時にADHDの診断を受けた息子は、今8歳になりました。
小学校に上がった最初の週は、学校の先生から2回も電話が入るほどの問題児だった息子も、今では「すごく良くやっている」と先生に褒められるまでになり、成績も良いです。未だに衝動性が強い部分もあったり、喜怒哀楽も激しいですが、基本的にはポジティブでお友達とも問題なく過ごしています。
本に書いてあった運動や、ワーキングメモリーを鍛える訓練をした成果だとは一概には言えません。他はすべて同じ状況で、こうした対策を全くしなかった場合と比べることができないので、こうした対策のおかげとは証明することはできないのですが、私はこの対策をしていて良かったと思っています。
子供の性格も、発達障害の重度も全く異なるので、これをしたら治るよ!と断言することは出来ませんが、もし興味を持った方がいたら是非本を手にとって中に書いてあることを実践してみてください。