
子供が英語を嫌いになってしまって・・・なんとか英語の苦手意識を克服する方法はない?
こんな相談を受けることがあります。
幼児からの早期教育にはあまり意味がないことが科学的に分かっていますが、それでも、早くから英語教育や公文などの教育をすることで(一時的にでも)効果があるのは、子供が他の子より先に学ぶことで「自分は○○が得意なんだ」と思い込むことによります。
たとえば、日本では、4月生まれの子は3月生まれの子に比べて大学進学率が高いし、スポーツ選手でも4月、5月生まれの人が多いと言われています。
それは、4月生まれと3月生まれでは、子供の頃に約1年の年齢差があり、勉強にしても、運動にしても、「他の子よりできる」という自信が生まれるから。
つまり、本来能力的に差はないはずでも、「自分はできる」という思い込みが運動や成績、ひいては大学進学率にまで影響するということです。
もちろん、例外の子供たちもたくさん知っているし、必ずしもそういうわけではないけれど、統計的に有意な結果がでているということです。
日本では学年を一年遅らせたり、早めたりということができないので、生まれ月を変えることはできないけれど、子供の「思い込み」で大きな影響がある、ということが分かれば、なるべく「苦手意識」を取り除いて、できる!という思い込みをさせてあげた方が良さそう、というのは分かります。
「できない」という思い込みが怖い。。。
「自分にはできない」という思い込みを英語ではSelf-Limiting Beliefs(自己制限的な信念)と言います。
そして、この思い込みがあることで、実際にはできるはずのことができなくなったりしてしまいます。
たとえば、「人前で話すのが苦手だ」と思い込んでいる人は、その思い込みのせいで、実際に人前に立つと手や声が震えて上手く話せなくなってしまうのです。
2008年に行われた研究で、被験者に知能テストを受けてもらい、一方のグループには93パーセンタイル(つまり上位7%)であったと伝え、もう一方のグループには下位36パーセンタイル(つまり下位36%)であったと伝えました。
その後、被験者にはその結果は間違いであり、本来の知力を測ることはできなったと伝えます。
しかし、その後で、知力を自己評価してもらったところ、下位36%と伝えられたグループは、上位7%と伝えられたグループよりも、自己評価が著しく低かったのです。
つまり、一度信じてしまった「できない」という思い込みは、テスト結果が誤りであったと知らされた後でも覆らなかったということです。
そして、子供の頃に「○○ができない」「○○が苦手だ」という思い込みを身につけてしまった場合、それが大人になっても影響してしまうことは多々あるのです。
これが例えば、親や先生が「△△ちゃんは、○○が苦手で」とか「△△君は人を引っ張るタイプではなくて、あとからついていくタイプで」などと発言してしまうと、本来の潜在的な可能性をつぶしてしまうことになりかねません。
英語の苦手意識を取り除くのは意外と簡単
一度、「英語が嫌い」「できない」、という思い込みや苦手意識を持ってしまうと取り除くのは難しいという話をしましたが、大人になるまで影響しては困るので、できるだけ子供のうちに取り除いてあげたいものです。
英語に対する苦手意識であれば、小学生、中学生くらいであれば、取り戻すのは簡単です。
というのも、小学生、中学生でやる英語のレベルはそれほど難しくないので、少しの努力ですぐに「得意」と感じられるようになるから。
他の子供たちも、特別な教育を受けていない限りはペラペラに話せるなんてことはないので、小学生、中学生のうちは実は能力の差はほとんどないんですよね。
子供が英語に苦手意識を持つのは、ただ「慣れていないから」。
英語圏で育つ子供はみな問題なく英語を話すのですから、子供の脳は確実に英語を処理できるようにできているのです。
今、英語が苦手と感じている子も、英語圏に住めば、数ヵ月後には英語を話すようになるのは確実です。
つまり、苦手意識が生まれるのは、普段見慣れないものに対する抵抗だと言えます。
もちろん、国語が得意な子と、不得意な子がいるように、英語にも得意、不得意があるのは当然ですが、日本の小学校、中学校で習う英語のレベルであれば、触れる時間があれば誰でも理解できるものです。
英語嫌いを克服するためにやるべき3つのこと
では、具体的に何をすればいいのでしょうか。
1.時間をかける
1つ目は、英語が嫌いだからと避けないことです。避ければ避けるほど、苦手になってしまいます。
もし、英語の教科書やドリルにそこまで抵抗がなければ、教科書を読んだりやドリルを解くなどを勉強するのでもいいでしょう。
または、NHKの「小学生の基礎英語」や「中学生の基礎英語」を聞いてみる、というのもおすすめです。ラジオを聞けなくても、サイトでしばらく聞くことができるので、問題なしです。
あまり分かっていなくても、聞いたり、声を出して読むことで、だんだん身につきます。
費やした時間の分だけ、苦手意識は薄れるはずです。
好きなことを英語で学ぶ
英語はあくまでもツールなので、好きなものを英語でしか学べない、となると、大きなモチベーションになります。
たとえば、海外のアーティストを好きになって、その人たちの情報を得るためには英語を学ぶ必要があったり、好きなアーティストの歌を英語で歌いたいと思えば、がんばって歌詞カードをみたり、単語を調べてみたり、なんてことも苦になりません。
海外のアーティスト、みたいに、分かりやすいといいですが、たとえば車好きな子なら、英語のかっこいい車の雑誌を探してみる、サッカーが好きなら、サッカーの雑誌や動画を見てみる、など方法はあると思います。
そこまで、好きなものがなかったり、自分からは英語に触れようとしない場合は、Global Step Academyのような、英語で好きな科目を学べるオンライン・インターナショナル・スクールもおすすめです。
触れる時間を増やして慣れ、好きなものを学べるようになれば、確実に苦手意識は消えます。
「あまり好きじゃない」から「苦手」にならないように、できるだけ早い段階で英語が得意だという思い込みに変えてあげましょう。