
子供に怒りすぎてしまって、自己嫌悪。
いつも怒ってばかりだと、子供にはどんな影響があるの?
そんな風に思ったことはないですか?
私はあります。何度言っても、こちらの言うことを聞かない。時間内に家を出なければいけないのに、言い聞かせても聞ず、結局こちらが声を荒げてしかるしか方法がなかったりします。
子育てのコーチングの本には「しっかり向き合って、子供の気持ちを受け入れてから、諭すように話そう。」など色々なテクニックが書いてありますが、それを実践するのも難しい時があります。。
では、そもそも、怒りすぎてしまった場合、子供にどんな影響があるのでしょうか?
怒りすぎると子供の成長に悪影響を及ぼします
中国、インド、ケニア、イタリア、フィリピン、タイに住む292人の母親とその子供(8歳から12歳)を対象にした研究によると怒りっぽい親を持つ子供には様々な悪影響が出ることが分かっています。
- 怒りっぽい親を持つ子供は、攻撃的になりやすい。(特に体罰や怒鳴るなどの行為をしている場合は、子供の攻撃性と高い相関関係が見られた。)
- タイムアウト(悪いことをした場合に物置などに入れたりすること)や落胆や恥ずかしいといったことを伝える親の子供は、不安症になりやすい。
- 怒りっぽい親を持つ子供は、共感力が低くなりやすい。
- 怒りっぽい親に育てられた子供は、将来、鬱になったり、パートナーや子供を虐待するリスクが高くなる。
- 親の怒りっぽさと子供の非行には相関関係がある。
これを見ると、怒ってばかりいてはいけない、と思いますよね。
普通に子育てをしていると、どうしてもしからなければいけない場面、怒ってしまう場面って出てくると思います。
でも、長期的に子供に与える影響を考えれば、少し立ち止まって考えることができるかもしれません。
この研究でもう1つ分かったことは、子供が、親が怒っている理由が「しつけのためだ」と理解している場合、影響は小さかったということ。
よく言われることですが、しつけのために「しかる」ことと、感情に任せて「怒る」ことを区別しないといけないということですね。
子供への怒りの対処法
何度も同じことを言っているのに、なんで同じ間違いをするの?とか、本当に些細なことでこの世の終わりかのように大泣きしたり、子育て中には親も感情的になり、怒りたくなることって多々あります。
でも、子供に対して怒りを爆発させる前に、まずは、子供の脳の発達段階を理解することが大切なようです。
それでもカッとなってしまう場合もあるので、そんな時の対処法も解説していきます。
子供の脳の発達段階を理解するー子供の脳は2階建ての家
まずは、子供の脳の発達段階を理解することで、期待値を下げることが大事。
これについては、子供の脳の発達やしくみを脳科学的に詳しく、分かりやすく解説してくれる本があります。
怒りすぎてしまって自己嫌悪を繰り返していた私にはとても役に立ちました。
この本によると、子供の脳は建築中の2階建ての家と考えると良いそう。
2階は大脳皮質からなっている。生まれた時には未発達。
論理的に考えたり、計画を練ったり、感情をコントロールしたり、共感を持ったりするのは、このうち2階の脳。
子供たちはまだこの2階の脳が発達していないので、大人から見たら理解できない行動をするし、感情も上手くコントロールできないんだそう。
残念なことに、この2階部分は20代半ばになるまで完成しないのだとか!
だからといって、しつけをしなくて良いといわけではありませんが、しつけの効果が出てくるのはずっと先。子供への期待値を下げれば、怒りの沸点は高くなり、怒る回数も減ってくるのです。
とはいえ、とっさの怒りがわいた時にまだ未発達だから、と考えられない時もありますよね。
怒りへの科学的な対処法2つ
怒りのコントロールの研究で分かっていることは、
- 怒りを抑制してはいけない。
- 怒りを吐き出すのもダメ。
ということ。
感情は抑制してはいけないんですね。
例えば、パニック発作を起こしている患者に、リラックスするための音楽を聞かせると、余計に鼓動が早くなるという研究結果もあります。
一方で、気を逸らすような、リラクゼーションとは関係のない内容のオーディオブックを聞かせると却って効果があったそう。
これは、怒りに関しても一緒です。
科学的に証明されている怒りを鎮める方法は2つです。
1つは気を逸らすこと。もう1つはリアプレイザルです。
例えば、何かで怒っている最中に電話がかかってきたとします。
普通に対応して20分後、電話がかかってくる前のような怒りは消えているはずです。
脳の認知機能のキャパシティには限界があるので、他の事で脳の認知機能をつかっていれば、怒りの感情を出す余裕がなくなるということ。
なので、状況にも寄りますが、少しその場を離れて気持ちを逸らすことができれば、怒りは収まります。
でも、特に子供が相手の場合、その場を離れることができないことも多々ありますよね。そこで、もう1つの簡単な対処法が、リアプレイザル。
リアプレイザルは再評価、とか見直し、といった意味です。
状況を違った視点から見てみることで、自分の怒りの感情を起こしている状況を再評価してみる。
例えば、スピードを出した車が危ない運転をしていてイラっとしても、「もしかしたら病院に向かっていて、急がなければいけないのかもしれない」と言い聞かせてみる。
相手が子供の場合、「今日は少し疲れているのかな?」「幼稚園や学校で嫌なことがあったのかな?」とか、考えてあげることで怒りの感情は収まってきます。
感情は抑えるのではなく、逸らしたり、コントロールできるようになると、子育て中も「怒りすぎる」ことは少なくなってくるのではないかと思います。