
子供の将来の成功には、学力よりも非認知能力が大切だと聞いたけど、非認知能力ってどんなもの?
どうやって伸ばしたらいいの?
こういった疑問に答えます。
この記事の内容
- 親の褒め方が子供のやる気を壊す?成長マインドセットを伸ばす褒め方
- 罰を与えて思い知らせるのはダメ!
- 習い事を2年以上続けると将来の収入が上がる
- 非認知能力やrを伸ばす子育てとは?
小学1年生の娘がピアノを習っているのですが、少しつまずくとやる気をなくしてしまいます。すでに弾ける簡単な曲ばかりを練習してなかなか向上しません。
一方で3年生の息子は、アスリートの特別コースに入りたいと息巻いていたものの、家で測ったタイムは平均を下回り、そのままではコースに入ることができない、と伝えると、タイムをあげるために毎日のように練習しています。
兄妹でも気質が違うのですが、すぐに諦めてやる気をなくしてしまう娘にどうしたら「やり抜く力」をつけることができるのかが知りたくて、いくつか本を読みました。
それが、『マインドセット』と『GRIT やり抜く力』、『私たちは子どもに何ができるのか』の3冊。
今回はこの3冊から私が学んだ、子供の成長マインドセットややり抜く力の育て方をまとめたいと思います。
非認知能力って何?どうして子供に必要なの?
非認知能力とは、やり抜く力(Grit)、忍耐力(Perseverance)、自制心(Self-control)、レジリエンス(resilience)などの気質のこと。
マイケル・ジョーダンはもともと優秀なバスケットボールの選手だったわけではなく、高校生の頃には代表のチームメンバーにも選ばれませんでした。
でも、めげることなく、トレーニングに励み、何度も失敗を重ねてトップ選手にのぼりつめた話は有名です。
それは、彼には成長マインドセットややり抜く力があったから。
子供の成功には、遺伝的要素と環境の要素が複雑に絡み合っていますが、子供の能力を最大限引き出すには、こうした非認知能力が重要なことが心理学の研究で分かってきています。
やる気がない子供の成長マインドセットを育てるには?
成長マインドセット(しなやかマインドセット)とは、能力は努力することで伸ばせるという信念のこと。
一方、硬直マインドセットは、人間の能力は生まれつきの物で努力でどうすることもできないと信じることです。
どちらのマインドセットを持つかで、人生に大きな差が出てきます。
硬直マインドセットを持つ人は、自分の能力を証明することにこだわり、失敗することを怖がります。
そのため、新しいことに挑戦せずに上手くできると分かっていることばかりを繰り返します。
でも、成長マインドセットを持っている人は、才能は磨けば伸びると信じているので、思い通りに行かなくても粘りづよくがんばることができるのです。
これは、子供の頃から違いがあって、成長マインドセットを持つ子供は、どんどん新しい課題に取り組み、硬直マインドセットを持つ子供は安心してできる簡単な課題を何度も繰り返します。
では、どうしたらやる気がない子供の成長マインドセットを伸ばすことができるのか。
子供の生まれつきの気質も影響するけれど、育て方、褒め方、環境で変えることができるようです。
親の褒め方が子供のやる気を壊す?成長マインドセットを伸ばす褒め方
例えば、100点を取った時、「すごいね!あなたは頭がいいね」と褒めてしまうことはありませんか?
でも、そんな褒め方が子供の挑戦しようという気持ちをつぶしてしまうかもしれません。
ある研究では、「頭がいいね、賢いね」という感じで能力を褒められた子供は、次に難しいテストをやるか、簡単なテストをやるかを聞かれると簡単なテストを選ぶそう。
一方で、「がんばったからできたんだね」と努力を褒められた子供はさらに難しいテストに挑戦することができるんだとか。
それは、能力を褒められた子供は、次に失敗したら「能力がなかったんだ」と思われてしまうので、失敗を恐れて挑戦ができなくなってしまい、努力を褒められた子供は「がんばれば難しい問題も解ける」と考えるので、次に失敗しても「努力が足りなかったから次がんばろう」と思えるから。
ついつい、頭がいいのね、すごいね、なんて褒めてしまいますが、がんばっている努力の過程を褒めるようにすることが大事です。
罰を与えて思い知らせるしつけはダメ!
褒め方だけでなく、しかり方も子供のマインドセットに影響を与えます。
親が決めた規則や価値観に逆らうことを「悪いこと」として罰を与え、もう二度としないようにと思い知らせようとすることは、子供の考える力を奪ってしまいます。
子供が自分の力で考え、答えを導けるようにどうしたら手助けをできるかと考えることが大事。
何事においても優劣の評価を下して、罰を与えるのは子供のためになりません。
個人的には明らかに悪いことをしたときのしつけはある程度必要だと思いますが、例えば勉強をしない、練習をしない、などをしかるのではなく、どうしたらできるかを一緒に考えることが大切なのかな、と思います。
習い事を最低1年以上続けさせる
ピアノやバレエ、サッカーなど、体系的な練習が必要な習い事や課外活動は「やり抜く力」を育てるのに効果的。
子供が興味を持った分野で、週にある程度の時間しっかり取り組ませ、一年以上は続けさせることで自分でも成長を感じられる経験をさせることで、忍耐力やレジリエンス、やり抜く力といった非認知能力が育ちます。
コロンビア大学の心理学者マーゴ・ガーディナーによると高校で2年以上課外活動を行った場合、大人になったときの就業率も高く、収入も高いことが分かったそう。
ここで重要なのは、「将来役立ちそうだから」といった理由ではなく、子供がやりたいと思える習い事を選んであげること。
とはいえ、子供はすぐに飽きてしまうこともあるし、一時的に嫌になってしまうこともあるので、始めたら最低でも半年は続けようね、といったルールを決めるのが良さそうです。
また、年齢によって興味が変わることもあるので、その時々で色々な習い事の選択肢を与えてあげるのもいいかもしれません。
息子は7歳でコーディングに興味を持ち、1学期間だけやってみましたが、最初は楽しんでいたものの、学期が終わるころには興味がなくなっていました。
でも、9歳になってから再度挑戦したら、また楽しくなってやっています。
おそらく、年齢がまだその習い事に追いついていなかったのかもしれません。
非認知能力を伸ばす子育て
やり抜く力や成長マインドセット、忍耐力、自制心といった非認知能力は、算数や国語のように直接教えることはできません。
こうした非認知能力は子育てや環境によって作られるもので、「こうしなさい」と言って身につくスキルではないそうです。
『GRIT やり抜く力』によると、子育てを「どれくらい子供に要求をするか」と「どれくらい支援をするか」の程度で4つに分けると、「子供への要求は高いが、支援を惜しまない」、つまり、厳しくも温かい親を持つ子供たちは、学校の成績がよく、自主性が強く、うつ病になったり非行に走る確率が低かったそう。
「厳しくも温かく、自主性を尊重する」子育てが科学的に証明された「正しい子育て」と言えるようです。
そして、子供たちは本能的に親をまねするので、子供たちの手本になるように、親である私たちが目標に向かって努力している姿を見せることが大切だそう。
私はこの3冊の本のおかげで、子供たちの非認知能力を伸ばす、という心構えを持つようになり、それだけで、すぐにイライラしたりせずに、ひとつひとつの場面で最適な対応を考えられるようになりました。
子供のやり抜く力を伸ばしたい、成長マインドセットを育てたい、という方にはおすすめの3冊です。
【私の子育てを変えた3冊の本】