
英会話教室に通わせているのに、英語が身についている気がしない。。。
「中学・高校と6年間(今では小学校5年生からなので8年間)も英語を勉強しているのに、日本人は英語が話せない」という声を聞きます。
また、英会話教室やオンライン英会話をやっていても、そこまで英語が身についている気がしないという方も多くいます。
その理由は簡単、学校の授業や英会話教室だけでは英語に触れる時間が少なすぎるのです。
当り前の話ですが、英語がきちんと話せるまでになるのには、それなりの(かなりの)時間が必要です。
では、英語をマスターするのに、実際にはどれくらいの時間が必要なのでしょうか?
英語の習得速度を決める要素とは?
だれでも効率よく英語を身につけたいと思いますよね。
でも、言語の習得にかかる時間を左右する要素はいろいろあります。
ケンブリッジ大学がまとめた報告書によると、かかる時間は環境と、学習者によって変わる、ということです。
環境とは、文字通り、学ぶ環境、インターナショナルスクールで習うのか、学校で習うのか、英会話教室で習うのか、ということや講師の教え方、集中プログラムかどうかといったことです。
そして、学習者は、性別や年齢、第一言語は何かなど。
そりゃそうですよね。人によって英語の習得にかかる時間が違うのは当り前の話です。
でも、この報告書では、ざっくり英語をマスターする時間(CEFRのそれぞれの基準に達するまでの時間)を年齢ごとにまとめてくれています。
ちなみに、CEFRの基準は次の通り。
A2:学習を継続中の者・初級者 / 英検準2級程度
B1:習得しつつある者・中級者 / 英検2級程度
B2:実務に対応できる者・準上級者 / 英検準1級程度
C1:優れた言語運用能力を有する者・上級者 / 英検1級程度
C2:母語話者と遜色のない熟練者
小学生が英語を身につけるまでにかかる時間
英語のネイティブスピーカーではない子どもが、ある程度英語を使えるようになるまでの時間は以下の通り。
一つ下のレベルからこのレベルに上がるまでにかかる時間 | |
B1 | 240-300 |
A2 | 200-240 |
A1 | 180-240 |
Pre-A1 | 160-200 |
(出典:「HOW LONG DOES IT TAKE TO LEARN A FOREIGN LANGUAGE?」)
つまり、CFERの中級者、B1に行くまでに、小学生であれば780時間から980時間が必要ということです。
日本語は英語と言語的にとても離れているので、その分多く時間がかかると考えると、毎日1時間きっちり英語に触れて、3年はかかるという計算です。
きちんとした質のいい先生に学んだ場合という条件がついているので、どんな方法でもこの時間を費やせば、B1のレベルまでいけるというわけではありません。
思った以上にかかると思われたでしょうか?意外と時間数としてはそれほどでもないと思われたでしょうか?
どちらにしても、毎日きちんとした英語を教えてもらっていれば、一日1時間でも3年後にはそれなりに英語が使えるようになるということですね。
もし、週3回程度一時間やれば小学生のうちに英検2級程度の英語力は身につくということです。
中高生が英語を身につけるまでにかかる時間
一方で、中高生が英語を身につけるまでにかかる時間は以下の通り。
一つ下のレベルからこのレベルに上がるまでにかかる時間 | |
B2 | 220-270 |
B1 | 200-250 |
A2 | 180-230 |
A1 | 150-200 |
(出典:「HOW LONG DOES IT TAKE TO LEARN A FOREIGN LANGUAGE?」)
つまり、750時間から950時間の時間が必要になるということです。
大人が英語をマスターするまでに必要な時間とは?
小学生も中高生も、中級以上になるまでに必要な時間数が1000時間弱、ということだったのですが、大人ではどうでしょうか。
一つ下のレベルからこのレベルに上がるまでにかかる時間 | |
C2 | 300-400 |
C1 | 200-300 |
B2 | 180-260 |
B1 | 160-240 |
A2 | 100-150 |
A1 | 90-100 |
(出典:「HOW LONG DOES IT TAKE TO LEARN A FOREIGN LANGUAGE?」)
大人の場合は、最終的なレベルがC2、つまりネイティブと遜色なく会話できるレベル(あくまでもCEFRのレベル分け上)ということですが、それまでに必要な時間は1030時間から1450時間だそうです。
言語の習得は若いほど早いはずですが、これはあくまでもCEFRでのレベルなので、子供よりも大人の方が早く点数が取れると言うことかもしれません。
私も実は、大学生の時に1000時間ヒアリングマラソンをやっていました。そのおかげもあって、大学入学後のTOEIC775点から、卒業時には900点台になりました。
それでもネイティブレベル、とまでは到底言えませんが、この1000時間というのはかなり信憑性のある数字といえるのではないでしょうか。
英語を身につけるためのおすすめの勉強法
「学校の授業で教える英語では英語が身につかない」なんてよく言われますが、私自身の英語力は学校英語、受験英語が基礎になっています。
なので、個人的な経験からは学校で習う英語も役に立つと思っています。
私が中学生のときにやっていたのは、英語の教科書の音読。
「It rained a lot today.」といった文章から始まる教科書のページを今でも覚えています。
こういう文章を音読して頭に叩き込むと、英語の文章が自然とでてくるようになります。
「今日は雨がたくさん降りました。」という文章を英語にしようとすると、えーっと、「降る」ってなんていう単語だろう?fall だったかな?となってしまうのです。
大学生になってからは、1000時間ヒアリングマラソンで、シャドーイングもたくさんやっていました。
英語を話せるようになるには、音で覚えてアウトプットをすること、が重要だと言えるでしょう。